日本小児歯科学会の調査によると、永久歯が全て生えそろわない「先天性欠如」が、小児歯科を受診する子どもの1割に上るそうです。永久歯は、上下合わせて28本生えるはずなのですが、それが全て生えてこないとどうなるのでしょうか?歯が足りないと、咬み合わせが悪くなって、歯周病を引き起こすこともあるそうですから、怖いですね。学会員の先生たちも、この1割という数字には、「相当多い印象だ」との感想を持たれたそうです。
この調査には、全国7大学の小児歯科と協力医が参加し、12都道府県で1980年代以降に歯科を受診した7歳以上の患者の、X線画像を分析したそうです。その結果、1568人(10.09%)に、1本以上の永久歯の欠如が認められたというのです。どの歯が欠如しているのかというと、顔の中央から右5番目に生える奥歯(第2小臼歯)と2番目の前歯(側切歯)で多かったそうです。上あご(4.37%)より下あご(7.58%)で多く、左右の差は小さかったとのことです。
先天性欠如の原因は解明されていません。永久歯が生えそろわない場合の治療は、歯の位置や本数などによって方法は異なりますが、多くは保険のきかない自費治療となります。このような子供たちが1割もいるということは、人類の進化がそのような方向に向かっているということなのかもしれませんね。